山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【オンライン連載小説】 「私のように美しい女、あるいは、いかにして私は火星人を愛するようになったか」第1回

「私のように美しい女、あるいは、いかにして私は火星人を愛するようになったか」第1回

序文

まあ、ジョン・バースの『レターズ』かな、と思って、二巻に分かれている邦訳の、とりあえず第一巻を探したが、すぐには見当たらず、第二巻は本棚にそのままあったけど、二巻から読んでもね、と、しゃーない、原書を出したんであるよ。で、たどたど読み始めると……、まず、Foreward(前書き)があって、これが滅法重要なことはわかっているから、そこから読み始めると、

「『もうひとつの終わりなき傑』私の同士、ウィリアム・H・ガスががこの小説、私がいま序文を書いているのをそう言ってくれた。いいねえ。『いらつかせ、かつ壮大である』、評論家ザック・ボウエンも、この小説の壮大な構想についてそう言ってくれた。これもすきだね。──」てなてな調子で、「すでにして」バース調が「読ませる」のに、……数日して邦訳の第一巻が見つかって、どれどれ? と日本語で読もうとしてページを開いたら……ない! ないんだよ、序文が、無視されている。国書刊行会! なーにも考えているんだ! しかも、訳者は四人も名前を連ねていて……序文を抜かした冒頭も面白くなさそうで、これじゃあ、読者がつくわけないわ、で、かなぐり捨てて、しかたなく、原書に戻るしかなかった。こういう時のために、気になる著者のは、原書が買ってあるんだ

って、ワタシ、ただの水蛇なんです。しかも人工知能の。いまじゃ、AIとか言うらしいんですけど。ワタシの仕事は、ギリシア方面の海の、アテネさまの神殿をお守りすること。

 なんか今日は疲れたからこのへんにします。あ、この小説の序文はまだまだ続きますよ。ついでに、バースの『レターズ』の序文も、「本邦初訳」みたいな雰囲気で、紹介します。ふふふ……こんな小説がオンラインで、タダで読めるなんて、いい時代になったでしょ?

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