山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【昔のレビューをもう一度】 『愛を読むひと』(2008年)の監督作。『トラッシュ!』(2014年)

【昔のレビューをもう一度】
愛を読むひと』(2008年)の監督作。『トラッシュ!』(2014年)
(FBでの会話↓)
細田傳造>ナチス時代のベルリンの街角から始まるアメリカ映画『愛を読む女』
山下晴代師に於かれましては?小生は印象が深うございました。

山下晴代> 愛を読むひと』は、監督はじめ、主演のケイト・ウィンスレット、少年が中年になった「現在」(ナレーター)のレイフ・ファインズなどがイギリス俳優の、イギリス人の視点からの「ナチス・ドイツ」ということになりましょうか。21歳年下の少年(15歳)との恋。まさに私の理想ですが、この物語のキーワードは、「文盲」。のち、ナチス戦犯裁判で、罪を問われた女と、それを傍聴する、法学生となった少年、彼女が、「文盲」であったことを「告白」すれば、彼女の罪は晴れる……と、そんな設定だったかと。愛か、命(死刑)か。ここにも、ドイツ人の視点はありませんですたね。同じダルドリー監督のべつの映画のレビューもあげておきます。

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『トラッシュ! -この街が輝く日まで』── 少年たちが主役の極上のミステリー少年たちが主役の極上のミステリー(2015年1月12日 8時17分)
『トラッシュ! -この街が輝く日まで』(スティーヴン・ダルドリー監督、2014年、原題『 TRASH 』

ブラジルという問題を抱えた国の、底辺に生きる少年たちの世界に材を取りながら、おとなの鑑賞に耐える極上のミステリーとなっている。伏線もすばらしく、登場人物たちの、いわゆる「キャラだち」もきめ細かく、なにより、少年たちが自力で事件を解決していくストーリーにも、これまでのストリート・チルドレンものにはない、すがすがしさがある。
 少年たちはオーディションで選ばれた無名の少年たちであるということだが、同じような選考方法でキャストを選んだ、7人のオバチャンの物語『滝を見に行く』の学芸会ぶりとはえらい違いの、目を惹きつける演技である。少年たちの才能もあるだろうが、彼らにのびのび演技させている監督の演出力もものを言っている。
 名前のある俳優として、神父役のマーチン・シーンと、ボランティアで勉強を教えるアメリカ人女性役の、ルーニー・マーラの、どちらも、少年たちを引き立たせかつ包み込みような演技でプロらしさを見せている。ブラジルという国のゴミの街のエネルギーをフットワークのよいカメラワークで見せつけ、音楽もさりげなく最新の洗練をあてている。テーマ、美学、エンターテインメント、そのどれをとっても「2015年」を感じさせる、年頭いきなり、ナンバーワンの映画である。ブラジルという問題を抱えた国の、底辺に生きる少年たちの世界に材を取りながら、おとなの鑑賞に耐える極上のミステリーとなっている。伏線もすばらしく、登場人物たちの、いわゆる「キャラだち」もきめ細かく、なにより、少年たちが自力で事件を解決していくストーリーにも、これまでのストリート・チルドレンものにはない、すがすがしさがある。
 少年たちはオーディションで選ばれた無名の少年たちであるということだが、同じような選考方法でキャストを選んだ、7人のオバチャンの物語『滝を見に行く』の学芸会ぶりとはえらい違いの、目を惹きつける演技である。少年たちの才能もあるだろうが、彼らにのびのび演技させている監督の演出力もものを言っている。
 名前のある俳優として、神父役のマーチン・シーンと、ボランティアで勉強を教えるアメリカ人女性役の、ルーニー・マーラの、どちらも、少年たちを引き立たせかつ包み込みような演技でプロらしさを見せている。ブラジルという国のゴミの街のエネルギーをフットワークのよいカメラワークで見せつけ、音楽もさりげなく最新の洗練をあてている。テーマ、美学、エンターテインメント、そのどれをとっても「2015年」を感じさせる、年頭いきなり、ナンバーワンの映画である。ブラジルという問題を抱えた国の、底辺に生きる少年たちの世界に材を取りながら、おとなの鑑賞に耐える極上のミステリーとなっている。伏線もすばらしく、登場人物たちの、いわゆる「キャラだち」もきめ細かく、なにより、少年たちが自力で事件を解決していくストーリーにも、これまでのストリート・チルドレンものにはない、すがすがしさがある。
 少年たちはオーディションで選ばれた無名の少年たちであるということだが、同じような選考方法でキャストを選んだ、7人のオバチャンの物語『滝を見に行く』の学芸会ぶりとはえらい違いの、目を惹きつける演技である。少年たちの才能もあるだろうが、彼らにのびのび演技させている監督の演出力もものを言っている。
 名前のある俳優として、神父役のマーチン・シーンと、ボランティアで勉強を教えるアメリカ人女性役の、ルーニー・マーラの、どちらも、少年たちを引き立たせかつ包み込みような演技でプロらしさを見せている。ブラジルという国のゴミの街のエネルギーをフットワークのよいカメラワークで見せつけ、音楽もさりげなく最新の洗練をあてている。テーマ、美学、エンターテインメント、そのどれをとっても「2015年」を感じさせる、年頭いきなり、ナンバーワンの映画である。