山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【詩】「リルケに捧ぐ」

リルケに捧ぐ」

主に捧げる秋の詩の
錆色の葡萄傷心だけが私の唯一の収穫
宇宙の果てに消えた父を探して
出かけねばならないどうやって?
宇宙飛行士としての訓練もしてなくて
宇宙服もなくNASAにも登録してなくて
ナンタケットだけは覚えている捕鯨の基地
そうわれらの国は実験用として食用よりも多くの
鯨をとっていた主よ許したまえこの
愛らしい動物を解体して食っていたこと
iPad miniで聴くドイツ語が直接私に降り注いでくるそは
神のかたこと
もう13行目まできたのにブランクでやりすごし
いちばんたやすい詩法でごめんこうむるDie Sonette