山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

デヴィッド・ボウイ追悼

 デヴィッド・ボウイ氏への香典代わり(笑)に、新アルバム(2016/1/8リリース?)『Blackstar』をiTune Storeで購入して、わんこの散歩時にさっそく聴いてみましたが、表題作など、executionなる言葉が何度も浮かび上がるくらいのもので、今の世界の政治的状況へのなにものかなのかな、とも思いましたが、全体に、やはり「お年」感は否めず、なんらインスパイアされることのないものでした。

 それで、急遽、iPodに入っている、大島渚監督『戦場のメリークリスマス』(英語題名『Merry Christmas, Mr.Lawrence』、1983年)のテーマ音楽、坂本龍一作曲の"Merry Christmas, Mr. Lawrence"に切り替えた。これは、しっとりして、心に染みいるよい曲で、まさに追悼にふさわしい。

日本統治下のジャワ島で、軍人と兵士、捕虜という男だけの世界を描いたこの作品で、ヨノイ陸軍大尉の坂本龍一は、反抗的な俘虜のセリアズ少佐のデヴィッド・ボウイに惹かれていく──。

私にとってのデヴィッド・ボウイは、ひたすら、このイメージにつきる。

(といっても、ボウイの役は、はじめ、ロバート・レッドフォードニコラス・ケイジ(当時、高校生)にオファーしたが、両者とも断って、デヴィッド・ボウイになったという。また、坂本龍一の役も、三浦友和沢田研二などが予定されていたという。たとえば、三浦友和と、レッドフォードだったら、まったく違う映画になってしまう(笑))。

  May he rest in peace.