山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

メリル・ストリープ讃江

『未来への花束』
この作品は、イギリスで、選挙権がなかった女性たちが、自分たちの未来の子どもたちのためにも、獲得するためにがんばる映画ですが、またまたメリル・ストリープが、アメリカ人なのに、当時のイギリス女性に発音までなりきっていて、予告篇だけで、涙が出る映画です。

ゴールデン・グローブ賞にて。ハリウッドはいろいろな人種、出自の人々でなりたっていると、ディヴァシティを強調するとともに、その名を一度も出さず、案にトランプを批判。メリル・ストリープは最高の女優……女性。

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メリル・ストリープのスピーチからの引用(ELLEオンラインより、Text : Ryoko Tsukada)

「俳優にとってただひとつの仕事とは、自分たちとは違う人々の人生を生き、それがどんな感じなのか見る人々に感じてもらう、それだけなのです」

「人に屈辱を与えるという本能、それは公的な立場で非常に強大な力を持つ人物によって行使された時に、すべての人の人生に影響を及ぼします。なぜなら、それは権力者がそうすることによって、他のひとたちも同じ事をしてもいいという許可を与えるようなものだからです。人を軽視し、無礼なふるまいは同じことを招きます。暴力は暴力のを招きます。もし権力者たちがその地位を使って弱いものいじめをするなら、私たちは皆負けるのです」

「これは報道関係の皆様にも言えることです。私たちには責任を持ってすべての非道な行為について譴責する、主義原則に基づいた報道機関が必要です。なぜなら報道の自由こそ、我々の建国者がこの国の憲法に鎮座させている原則のひとつだからです。ですから、私は有名で、富裕なハリウッド外国人記者協会、そして私たちのコミュニティの全員にジャーナリストを守るための委員会をサポートしすることに協力してくださるようお願いいたします。なぜならこれからの未来に向けて、それが必要になるからなのです。そして、彼らにとっても、真実を守るものとして、私たちを必要とするでしょうから」

「もうひとつ申し上げたいことがあります。ある時、私はセットで何かについて泣き言を言っていたことがありました。次の食事まで働きどおしか、撮影が長時間すぎるとか、そういったようなことです。その時、トミー・リー・ジョーンズが私にこう言いました。「これは実に特権的なことだと思わないかい、メリル。ただ俳優であればいいなんて」。
 
「ええ、本当にその通りです。そして私たちはお互いにその特権と共感を演じるという責任を常に思い出させなければならないのです。私たちはハリウッドで働くことができる名誉について、深く誇りを持たねばならないのです。私の友人であり、つい最近この惑星から旅立った、いとしいレイア姫が私に言ったことがあります。『心が壊れたなら、それを芸術へと作り替えなさい』と」