山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

2019-11-10から1日間の記事一覧

【本】『読書実録』──テクストの喜びゼロ(★)

『読書実録』(保坂和志 著、2019/9/26、河出書房新社 ) たとえば、カフカの日記は、普通ならこぼれてしまうような行間を拾って、どこまでも興味は尽きないが、保坂和志も、カフカに習っているようだが、結果はまったく見当違いとなって失望させられた経験…

【本】『フーコー入門 (ちくま新書)』──フーコーのテクストとはなんの関係もない(★)

『フーコー入門 (ちくま新書)』(中山元著、1996/6/1刊、筑摩書房 ) フーコーの「処女作」は、精神科医ビンズワンガーの翻訳及び、著書の、本文より長い序文である。カントの人間学から、文献学へと進んでいったフーコーは、なにより、ドイツ語に通じる哲学…