山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【詩】「実存と夢」

「実存と夢」 勅撰集は置いて 雨も風もない外宇宙にて 丸谷はひとり息子を待つ メモリは足りず 重力波は狂い 苦い過程の産業革命 歴史という薄っぺらな旗が 冥王星の向こうに立っているという 四書五経といえど 相対性に届かぬ空しさ 饐えた衣装を着て待つは…

【詩】「雨が空から降れば」

「雨が空から降れば」 むかし「雨が空から降れば思い出は地面に染みこむ」という歌があった。ペーター・ハントケがまだ劇作家で、『被後見人が後見人になりたがる』という台詞のない戯曲を発表していた時代その題名は、シェークスピアからの引用で早稲田小劇…