山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

高野山金剛峯寺襖絵完成記念「千住博展」@北九州美術館分館

高野山金剛峯寺襖絵完成記念「千住博展」

白襖となっていた、金剛峯寺の「茶の間」「囲炉裏の間」に、日本画家・千住博の襖絵が奉納されることになった、それに先だっての展覧会である。
千住のテーマの、滝と、断崖の図がそれぞれ納められる。瀧の図は、全長25メートル。日本の古典を掘り下げて、エキスのようにすれば、人物は消えて自然が残り、それはすなわち、瀧と断崖となる。とくに瀧は、その「瀧の音」というシニフィエを絵の中含み、かつ、さまざまな物語というシニフィアンを展開する。
白の「ほとばしり」の激しさは、天然岩絵の具でしか出せない墨色の中できらびやかさを拒絶しているかのように佇んでいる。思えば、きらびやかさは、ダ・ヴィンチなどの西洋の絵のものであった──。

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