山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

いわゆる「『美味しんぼ』問題」について

美味しんぼ』という漫画で、福島の食べ物を食べて鼻血が出たという場面が問題になっているようですが、多少なりとも「科学的視線」があれば、こういうのが非科学的なのはすぐにわかって、騒ぐほどのものでもない(とはいうものの、読んではないけど、フランスの「Le Monde」でも取り上げられていた)。

 なぜかというに、放射性物質には、半減期なるものがあって、物質ごとに期間が違っている。福島の汚染が問題なのは、半減期の長いもの、つまり、100年経っても土地の汚染が消えない、だから問題なのであって、すぐに症状の出るものは、半減期が短い放射性物質なんです。

 もし、放射性物質を、「殺人」に使うなら、半減期が1~2週間程度のものを、食品に混入すればいいんです。
KGBのリトヴィネンコがロンドンの寿司を食べたのち、髪の毛が抜け衰弱して死んだのは、寿司に、ポロニウム210が混入されていたからです。
同様のやり方で、PLOアラファト議長も殺されたのではと推測され、現に、遺体(は、氷詰めされ、米軍軍用機で、アメリカに運ばれたそうである)から、ポロニウム210が、検出されたとうニュースがあったと思います。

 つまり、ある食品がなんらかの人体の影響を与えたと示したいシーンでは、その食品から、いかなる物質が発見されたかを書かなければ、まったくの「絵空事」になってしまいます。漫画家でも、そういう知識は必要なのでは?

 あらゆる食品は、分析すれば、何が含まれているか、わかります。

 ちなみに、私は、お米は、福島の「会津こしひかり」を食べています。