山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【詩】「宣長の余白」

宣長の余白」

紫文要領は余白こそうつくし
式部という亡霊のあれこれ
ためつすがめつ
脱稿してうすきいろの
紙に染むは時をへだてた
墨のにおい
ひとつに源氏物語の小琴
つま弾いてたそがれる
幹空洞
その余白によって
はげしく読まれていくものがある
激しく恋しすぎて
失神しました
と、
ラファイエット夫人でもない人妻が、
上品なパースを握りしめたまま
汗拭く
ここは、


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