山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

詩人の声

「詩人の声」

iPodで、さまざまな外国の有名な詩人の朗読を、わんこの散歩中に聴くことがある。CDやオーディブックとして売られていたものを購入して、iPodに入れたものだ。

T.S.エリオット自身が自作(たとえば「荒地」を読んでいるもの──とつとつとして、感情を入れてなくて、ただ文章を読んでる感じ。

BBCの俳優、ポール・スコフィールドが、エリオットの作品を読んでいるもの──さすがプロらしく。エリオットよりもエリオットの世界を再現している。感情も「適度」に、ニュアンス程度に入れている。

エズラ・パウンド──自作の「カント」シリーズを読んでいるが、まさに自分に酔っている感じで、抑揚つけすぎ、すきになれず、あまり聴かない(笑)。

フランスの詩人たち(ポール・エリュアールなど)──やはり、抑揚つけ、感情も入れて、芝居のように朗読。

ロバート・ローウェル──ちょっとバーかなんかで読んでる感じ。

W.H.オーデン──地味で、記憶に残ってない(笑)。

詩人ではないが、アルベール・カミュが、『異邦人』を全編朗読したもの──まさに、ムルソーを思わせる、ぶっきらぼうな読み方。


(問題は、「読み方」よりも、「内容」である。作品がよくないと、いくら朗読がりっぱでも、「仏作って魂いれず」になる)

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