山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【詩】「やーめて、そのショパン(松任谷由実ではなく、あいかわらず、デーモン小暮が歌う)」

「やーめて、そのショパン松任谷由実ではなく、あいかわらず、デーモン小暮が歌う)」

雨音は
蕎麦の実の殻を取り除く
調べ
どーやってやるのかというと、
筵の中央に人が立ち、
両端を持ち、
その筵部分に
べつの人が蕎麦の実を放り投げ
真ん中に立ったひとが
筵を「煽る」のである
客のない
冬の宿場
こんなふうに、
蕎麦の脱穀
土間で
していたのだ
それを
なんとなく
見ている

 筵ふまへて蕎麦あふつみゆ  松芳(名残表八)

俳語、「あふつ」
つまり、あおる。

とおく、雨は、時間を閉じ込め
もはや、その宿は
誰の記憶にも
留めない

やーめて、そのショパン
うーうーうー。

曠野集、員外は歌仙なり
山口素堂の美学なり


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