山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

2016-10-21から1日間の記事一覧

【訳詩】ルネ・シャール「形式的分割」Ⅱ

ルネ・シャール「形式的分割」 Ⅱ 詩人が世界との関係においていちばん苦しむのは、内的正義の欠如である。キャリバンの不浄の洞窟の入り口の背後で、エアリエルの全能で鋭敏なまなざしが苛立つ。 **** (訳註:シェークスピア晩年の戯曲『テンペスト』(…

詩「世界の美しさについて」

「世界の美しさについて」着色された思い出ではなくて イデオロギーに汚された感慨ではなくて 紋切り型のポエジーではなくて いま、目の前に見えているもの ガラス戸の向こうのコンクリートのベランダ 生え放題の植物 ベランダの向こうの木々 ガラス戸のガラ…

【訳詩】ルネ・シャール「形式的分割」Ⅱ

ルネ・シャール「形式的分割」 Ⅱ 詩人が世界との関係においていちばん苦しむのは、内的正義の欠如である。キャリバンの不浄の洞窟の入り口の背後で、エアリエルの全能で鋭敏なまなざしが苛立つ。 **** (訳註:シェークスピア晩年の戯曲『テンペスト』(…