山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

2016-10-22から1日間の記事一覧

【詩】「くろ」

「くろ」そのむかし、くろという名の犬を飼っていた 父が遠州の山から拾ってきた、すでに成犬の黒い犬だった 山犬の血が入っているということで、 誰にもなつかなかった 家のものにさえ噛みついた 当時は、犬を家の中で飼うなどという発想はなかったので、 …

【詩】「くろ」

「くろ」 そのむかし、くろという名の犬を飼っていた 父が遠州の山から拾ってきた、すでに成犬の黒い犬だった 山犬の血が入っているということで、 誰にもなつかなかった 家のものにさえ噛みついた 当時は、犬を家の中で飼うなどという発想はなかったので、 …

『第二の性』「うまい訳」

拙訳に対して、「FB友」で、「もっとうまく訳してくれ」という人がおりました。ので、「うまい訳」を紹介します。 ボーボワール『第二の性』は、新潮社から、1997年に新版が出ています。 ***** 第一章 生物学的条件 「女? 簡単ですよ」と、簡潔な言い…

【けふのフェミニズム】「第二の性」

「人は女に生まれない。女になるのだ」( On ne nait pas femme : on le devient)という有名な言葉で始まった、新潮社文庫の、ボーボワール『第二の性』を、高校時代その気になって読んでいたが、実は、これは、原書では、全2巻の、第2巻の、第1章の冒頭…

【けふのフェミニズム】「第二の性」

【けふのフェミニズム】 「人は女に生まれない。女になるのだ」( On ne nait pas femme : on le devient)という有名な言葉で始まった、新潮社文庫の、ボーボワール『第二の性』を、高校時代その気になって読んでいたが、実は、これは、原書では、全2巻の…

【けふの論点】「いわゆるひとつの『土人発言』問題

【けふの論点】「いわゆるひとつの『土人発言』問題」確かに、小林秀雄は何十年も前の講演で、ユングの研究を説明するために、アフリカ系の人々を、「土人」と言っている。しかし、言葉というものは、時と場合、場所、状況、文脈において、どんな言葉も差別…

【けふの論点】いわゆるひとつの「土人発言」問題

【けふの論点】 確かに、小林秀雄は何十年も前の講演で、ユングの研究を説明するために、アフリカ系の人々を、「土人」と言っている。しかし、言葉というものは、時と場合、場所、状況、文脈において、どんな言葉も差別語になるということは、文明化社会の普…