山下晴代の「積ん読亭日常」

まっとうな本を読んでいく。

【詩】「そして世界は泥である」(E fango e il mondo)

「そして世界は泥である」

鉛色の空を
斜め上方から
降りてくる
禿鷹
鉱山の任地のゲーテ
重なる
人妻に恋していた
そして
その旅の詩を
もじった
とも
しかし彼は
誰も
恋してなかった
詩人の

けふ
ふじわら
みちなが


式部その庭で女郎花裏返し弟の袴穿いて馬でかっ飛ばす御所越え平成越え当時官房長官のオブチ越え眉入れ墨娘のユカ越え口をきく馬に乗り閉塞の平安時代も突き破っていく白いプジョーtaxiとすれ違い警察は大急ぎだが追いつけぬいつもけつも恋人の赤い痰つば見飽きて出て行くベケットどこへどこへどこへヴィルヌーブが2020年に発表するDune楽しみだなスティングが出たけど今度はきみの名前でぼくを呼んでの少年役のティモシー・シャラメ主役いいないいないかにも新しい未来砂の惑星C言語でプログラミングのお勉強しなくっちゃiPhoneのアプリでも作ってやるかどうせヒマだしだしだし出汁はちゃんととって星否道長さま糖尿病で死去近代以前の権力者たちみんな栄養過多で死亡ナポレオンルイ14世しかり痛風とかプレスリー石原ゆうちゃんのメタボ症候群外国人はゆうちゃんなんて知らない石原軍団なんて軍団どんな軍隊? それゆけやれゆけBREXITテレサ・メイ道なき道を突き進む離脱修正案可決でも出口なしやっさやれやれ小倉祇園鴎外橋渡って若戸大橋飛んでついでにロンドンブリッジそうそう応仁の乱はまだ承久の変もまだまだまだおいらのいなおいらんの心中事件もまだまだ近松門左衛門てなもんざえもん

レオパルディ
いま
19世紀
いて
ひとりぼっち
こどくの
せいかつ
苦く
たいくつ
生は
いがいの
なにものでもなく
そして
世界は

Amaro e noia
La vita, altro mai nulla ;
E fango e il mondo.


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