2019-04-23 【詩】「紅葉賀」 文学 #詩 「紅葉賀」 宮はやがて御とのゐなりける、すなわち殿舎にもどらず、 帝の部屋に泊まる にもかかわらず翌朝源氏から 昨日の舞の感想を求められつい応えてしまう。 しみじみ、感動いたしました。古代の女と男、義母と息子 先帝の長寿の祝い、唐の舞をりっぱに踊る源氏、それは どんな踊りだったのか、知るよしもない かつて深くちぎった二人がおおやけの場で顔を合わせ、 その瞬間の時間の悲しみ、むしろ 存在せぬ方がよかった、袖は振られてしまい、 それは意味をまとった。 紅葉とは悲しさのまたの名 『源氏物語』ですぐに心にしみてくるものは 移っていく物語の速さと吉本隆明は書いている。